一生さんの訃報に際して

一生さんの訃報に際して

僕がファッションの世界に入ったきっかけの理由は幾つかあります。以前にも投稿したように、ショーケン=武先生=メンズビギの影響はとても大きな要因となりましたが、三宅一生さんもその一人でした。 僕が高校生のころ、イッセイさんはテレビでウイスキーのCMに出ていて外人風のお顔のせいもあり単純な僕はイチコロで憧れました。 僕が高3の時に、将来どうやって生きていこうかと悩んだ時に「インダストリアルデザイナー」になるか「ファッションデザイナー」になるかの2択まで追い詰めた時に、青山のイッセイのお店で洋服のテキスタイルに触れて、その世界感に圧倒されて僕もファッションをやりたいと強烈に思いました。 その後紆余曲折があり、数年後にファッションデザイナーとなりました。当時のアパレルは企画デザイナーに凄く厚遇で、勉強や研究の為の出張も含め経費は惜しみない環境でした。そのおかげで僕も素材の糸から作る事や染色などを勉強し商品化する為にメチャメチャ日本中を回りました。 地方の小さな紡績や撚糸屋さん、凄い田舎の染色屋さんとかに足を運ぶと、必ずイッセイさん(スタッフ)の爪痕があると言う事が何度もありました、僕も意地(笑)になり、すごくヘンピな田舎で小さな夫婦2人でやっている板染めの工場(工房)を見つけて、こんなところまではイッセイさんは来ていないだろうと、行ってみると事務所の机の上にイッセイさんの伝票を見つけて、やられた~と思った事が何度もありました。 それほどイッセイさんのテキスタイルへのこだわりはハンパなく、ブランドのアイデンティティとなったのだと思います。 三宅一生さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

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ファッションデザイナー

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