わたしは53歳で仕事を早期退職して京都に移動しました。単身赴任で移動したのは、やり残したと思った学びをおさめるためにです。
学校に通っていた2年間、そしてその後を含め合計8年間を京都で住む間に、様々な古き文化の厚い層を体験しました。
その体験とは、「書」そして「お香」でした。「書」は菅原道眞公の末裔であるお家元から篆書の手ほどきを受け、また、住んでいたマンションのお隣が「香司」処(お香やさん)でしたから、普段から愛用(お部屋や台所、トイレ、そしてもれなくエチケットとして匂い袋など)していましたし、色々と教えていただきましたので、いまでも手作りでお香を作っていますよ!
その後、夫とともにここ宮古島に移住をしたというわけなんです。
わたしのアトリエは、実は「書」と「香り(お香)」とそしてこの「ころも」という三つの側面を持っています。
京都時代に毎日のように焚いていた「お香」の芳しさは、わたしの小さなアトリエを癒しの空間に変えてくれます。
香りを聞いていると(お香は嗅ぐとは言わないで、聞くと言います)やはり思い出すのは、京都で多く見かけた着物すがたです。
京都では大学に通っていたのですが、意外と学生たちが靴に着物を合わせて着ていたりと、自由な雰囲気で着物を楽しんでいたのが印象的だったんです。
でも、ここ宮古島で着物を着る機会は、何かの稽古事の発表会とか、結婚式とか、、、です。(因みにここでの入学式とか卒業式は以外と軽装が多いですよ)それでも、年に数回程度ですから、やはり着る機会は遠のきます。
でも、あの感じってやっぱり手放せないので、なんとか着物を着たい!!と一念発起したのが「しまころも<誰が袖>」のチャレンジでした。
暑いこの島ですが、「しまころも」のコットンは夏場に大活躍なのはもちろんのこと、でも、シルクは冬は暖かく、夏だって意外とサラサラしていて着やすく、それに洗濯機でも洗えちゃうってことを発見!!
そして、そこに、、、日本文化をちょこっと取り入れて、、、
そうそれが、「しまころも」「しまころも<誰が袖>」そして「AGEin」の制作のスタートでした。
そんな背景を持つ「ころもの棚」をどうぞご贔屓に!!
(写真はわたしのアトリエです。その後ろには赤瓦の家が母屋があります。この家はもう70年も経つ伝統工法で建てられた家です。街中でこれだけ大きな敷地と古民家はもうほとんど見かけなくなった貴重な建築文化空間ですね。)
アトリエは、夫が一人でリノベーション。京都にいたときの町家風景が忘れられず、外観はそんな雰囲気に仕上げてもらいました。
因みにここの番地は528、ソルフェジオ周波数の528hzをイメージさせる癒しの空間です。