金融機関社員からフローラルデザイナーになった話

金融機関社員からフローラルデザイナーになった話

~簡単な経歴紹介~ *表 純子(おもてじゅんこ) *岡山県立岡山城東高校卒業 *関西学院大学総合政策学部国際政策学科卒業 *大手損害保険会社に入社 *数年務めた後結婚を機に退社、愛媛に移住 *フリーランスのフローラルデザイナーとして活動中 *主にウェディングフラワーを制作、アロマテラピーインストラクターの資格も生かしてアロマサシェなども制作 ーーーー 以前勤めていた会社はいわゆる大手の損害保険会社で、自動車事故対応の部門にいました。 前職の経験がどのように今に繋がっているか?ピッコラパーチェの中の人ってどんな人? というところをお伝え出来たらと思っています。少し長くなりますが、ご覧いただけると幸いです。 私がいた部門は営業ではなく、事故が発生した後に、示談(解決)に向けてどのように損害賠償請求の交渉をしていくかというところでした。例えば自動車事故における過失割合の交渉や、賠償額を査定し相手に伝え交渉し示談を終える、などです。 私が担当させていただいた事故は、損害額の小さいものからあまりに痛ましい事案、また弁護士や警察とも連携するような難しい事案まで幅広いものでした。 事故に遭うということは、怪我をしたり、車を壊されたり、愛する人を失ったりすることです。 誰しも事故に遭えば動揺し、悲しく、時に怒ります。そういった時に冷静に交渉できる人はそういないのは自然なことです。 また、必ずしも皆が法律や司法の判断に素直に納得できることばかりではありません。 やはりクレームなどは多くなりますし、理不尽な思いをすることもありました。 こういったなかで、契約者様の安心と利益を守り、かつ円満に、かつ迅速に事故を解決し、かつ数多くの事故を担当するという目標は容易ではありませんでした。 それに新卒で入社しましたので、あまりに未熟だったと思います。しかし、そんな私にもいくつかできることがありました。 ・一生懸命、努力すること。 ・何に対しても誰に対しても誠実に向き合うこと。 ・試行錯誤を繰り返すこと。 ・勉強の手を抜かないこと。知識(民法、約款、自動車事故の裁判例など)を蓄えること。 などでした。 その結果、手前味噌で大変恐縮ではありますが、ある部門では地域においてトップクラスの成績を収めることができました。 そんな私は、転居を伴う結婚を機に退職し、フリーランスのフローラルデザイナーとして食べていくことを決意したのでした。 「保険とお花」一見まったく違うように見えますが、実は通じるところがあります。 ◆共通点①「接客業であること」  どちらもお客様の大切な場面をまかせていただく接客業です。お客様の声に耳を傾ける姿勢。 信頼していただくために誠実であること。これらはフローラルデザイナーであっても意識して継続していきたいところです。 ◆共通点②「コミュニケーションの重要性」 事故の示談交渉においては、契約者様、営業部門、事故の相手方、相手方の保険会社、修理工場、弁護士といった様々な立場の方々とコミュニケーションを取りながら進める必要があります。相手と自分の認識の不一致が生じてトラブルに…といったことがないように、希望や意図などを緻密に汲み取り事故を解決していきます。 認識の不一致が生じないように気を付けること。お客様の思い描いていたお花と違ったということがないように、フローラルデザイナーになった今でも大切にしていることです。 ◆共通点③「臨機応変な対応が求められる」 自動車事故という突発的な物事は予想外の出来事の連続です。交渉相手の反応をみて即座に対応を求められるといったことも多いです。 予想外のことが起こりうる可能性があるのはフローラルデザイナーでも一緒です。 ◆共通点④「困難も諦めず粘り強く取り組む姿勢」 クレームの対応や難しい事故、何時間にも及ぶ電話の交渉…自動車事故の損害賠償請求は困難の連続でした。しかし諦めず粘り強く取り組むことによりお相手が心を開いてくださったり、契約者様の安心や利益を守ることができるのです。 フローラルデザイナーになった今もうまくいかないことがたくさんあり、時には辞めた方がいいのかと悩んだこともありますが、前職で培った粘り強さが生きていると感じます。 意外にもたくさん共通点がありました。 前職の私があるからこそ今の私がいます。大事なところは変えず、改善するべきところは改善し、お花のお仕事に向き合っていきたいと思います。 ここまで読んでくださってありがとうございました。改めて前職でお世話になったすべての皆様へ感謝申し上げます。

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花作家

piccola pace
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