|| 制作秘話 || マクラメタペストリー《 波の綾 》

|| 制作秘話 || マクラメタペストリー《 波の綾 》

今回のタイトル『波の綾』とは、波によって作られた水面の模様(波紋)のことで、さざなみを綾織物に例えた言葉です。 水面の影、穏やかな波、海底の丘陵、豊かな海をイメージしたタペストリーですが、モチーフとなった海があります。 それは瀬戸内海東部に位置する『鹿の瀬』と呼ばれる漁場です。 海の地形や水質の変化で近年は漁獲量も減っていますが、子どもの頃はたくさんの魚が取れて港も活気に満ち溢れていました。 漁師の家に生まれた私にとって『鹿の瀬』は、自然の恵みをもたらしてくれる豊かな海の象徴でもあります。 そんな日本屈指の漁場である『鹿の瀬』をイメージした、マクラメタペストリーを制作いたしました。 タペストリーとアンカーに用いた流木は、ともに淡路島で採取したものです。 あるがままの美しさに惹かれて採用した流木は、大きめのひびが入っていたり形にクセのあるものですが、このデザインにはこの流木がベストマッチでした。 デザインに動きが加わりベストな状態となる、" やや左上がり " で飾っていただきたい、ちょっとクセのあるタペストリー。 波の綾や潮の流れ、豊かな海を感じていただけるオンリーワンのタペストリーとなりました。 素敵なご縁がありますように𓇼𓈒𓏸𓐍 ........... 『鹿の瀬』と聞いて、『海なのに何で鹿?』と思われた方もいるのでは? 私も思いました! ちょっと調べたところ諸説あるようですが、共通するのは、" 鹿が海を渡る " ということ。 昔は鹿が海を渡ることがよくあって、渡鹿の瀬を休憩場所にしていたのかも知れませんね。 鹿の瀬がある播磨灘と言えば『イカナゴ』なのですが、よく母がイカナゴをくぎ煮にして親戚に配ってましたが、近年はめっきり獲れなくなり気軽に食べられなくなってしまいました。 『イカナゴのくぎ煮』ご存知ですか? イカナゴを醤油とざらめと生姜で、イカナゴがくぎみたいになるまで煮詰めて作ります。 ※とか言いながら私は食べる専門です。 白ごはん×くぎ煮=めっちゃ美味しいですよ! 春を告げる魚、イカナゴ。 あぁ、今年は届くだろうか… イカナゴを獲り過ぎないように毎年期間を設けて漁を行っていますが、漁獲量は思うように増えず、今年も不漁の見込みだそうです。 それでも新鮮な魚を食べられる環境に感謝しながら、鹿の瀬を豊かな海へ戻す取り組みが、良い方向へ進むことを願います。 早いものでもう3月となりました。 制作のほうも気合い入れて頑張りたいと思います! 最後までお付き合いいただき、ありがとうございましたˊᵕˋ˶ 本日も佳き一日でありますように𓆸⋆* 𓏸𓈒𓂃瑠璃彩 ルリイロ 𓂃𓈒𓏸

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マクラメ作家

瑠璃彩 ルリイロ
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